後ノンストップで約30時間!! 14日の昼頃には到着出来る予想です。
後は体力勝負となり 続かなければ夕方には紀伊半島の数日間ヨットを係留出来る場所を探さなければなりません。
鳴門の潮待ちの漁船と日出です。
鳴門海峡は潮が動き出すと9ノット前後の潮流が発生しますので、本船を含め潮を考慮して航行します。潮止りは7時なので、6時頃に漁船が走り出したので試してみましたが、パワーの無いヨットではスロット前開でも前に進みません!! 大潮なので流れも早くまだ6ノットの流れがあります。
潮待ちの途中で流れの中を走ってみました。
小さな渦が出来たり消えたりしています。水面全体が盛り上がったりこんな海面は初めて体験しました。
7時になっても潮が転流しないので、流れが多少穏やかな鳴門海峡の横の小鳴門と呼ばれる水路に行きましたが入口が凄い流れで突破出来ず!!
7時30分 スロットは前開なのですが、なかなか前に進みません。流れに抵抗しながら微速で大鳴門橋を通過です。
やっと広大な住み慣れた?? 太平洋に出る事が出来ました!!
開放感で疲れも吹っ飛びました。後30時間の天候の予想は穏やかなので、睡魔との戦いになります。
ヨットの仲間から疲れていたら周参見に入ったら?? ヨットも短期間ならば係留出来る場所もあるし美味しい鰹が食べられるとの事!!
まだ昼を過ぎたばかり止まる事は出来ません!! 曳き漁をしている漁船を発見したので、仕掛けを流します!!
入れて直ぐに鰹ゲット!! この早さに仁氏も驚きです。
連続で鰹3本 次にシイラをゲット
シイラの新鮮な肝は最高に美味と共に 海の上では貴重なビタミンBです!!
日に干して うまみ成分を引き出します!!
南紀白浜の手前で日暮れとなりました。これで二晩目のオーバーナイト決定です。
後は明日の昼に志摩に到着するぞ!! との気力で睡魔との勝負となります。
日が暮れトラブル発生です!!
エンジンの給水部分のホースが破損です。岸寄りでしたので、エンジンを止め水の流出を止めます。セールを上げ沖に逃げながら修理をするのですが、前部のセールはドラムをロープで回転させて巻き取りする仕様になっていて 最初から少し重すぎると思っていたのですが、肝心な時に引いても回りません!! 船首に行き無理矢理回してセールを広げました。
夜間は陸の光る物が異様に近く感じる事もあり焦りました。
ホースはこんな事もあろうかと購入しておいて正解でした。無事に修理完了!!
潮の流れも今迄の逆潮と違い追い潮に変わりましたので、潮岬に予定より早く23時に到達できましたが、黒潮が近くを通る事とうねりも出始め岸からの跳ね返りの波で三角波になっています。風も急に強くなり2時間の間左右ともみくちゃにされながらの通過です。
通過後は志摩迄一直線です。
潮に助けられ9ノットで夜明け迄は知る事ができましたが、だんだん逆潮になり低速が伸びません。
風向きも良くなったので、前の帆を上げようとしましたが、固くて回りません。アルミ製の回転するドラム部分のパーツが電触によってすでにボロボロになっていて割れてしまいました。
睡魔も絶好調ですがなんとか乗り切り13時30分に志摩に無事到着しました。
回航のヨットの紹介
ヤマハ スカンピ30 30年以上前の古いヨットです。
1969年ヨーロッパハーフトンカップ(全長30フイートクラスのワールドカップ)に初めて出場して優勝し 70年には1.2位を占め 71年も優勝 2.3位も同型艇で上位を独占し世界的に注目された名艇といわれるヨットです。
国内ではヤマハがライセンスを取得して建造していました。
強風には特に強く 強風のスカンピとも呼ばれています。
冒険家 石川仁氏はこの艇で太平洋横断を目指します。
9月の一ヶ月間 志摩に滞在して整備・セーリング練習をし シングルハンドで、9月末には地元千葉に向かう予定です。
私の役目は この回航と9月末の千葉に向けての出港まで、整備・セーリングのアドバイスをする事です。
今回は多くのトラブルに合いましたが、事前に点検してパーツ交換していれば起らなかったトラブルから経年劣化によって何時かは起ったトラブルが発生した等色々なパターンでした。当初車を購入する様な気楽な気分だった仁氏ですが、度重なるトラブルで少々落ち込んでおります。しかしこれからヨットで太平洋を渡ることに対する海の神様の軽い洗礼と思っています。
しかしこれからが大変です!! 太平洋を安全に航行する為には 古い艇だけに自身で行うには経験上整備だけでも大変な労力とお金が掛かります。しかし整備が万全でなければ今度は海の神様の重い洗礼が待っています!!
0 件のコメント:
コメントを投稿